最終更新日 2020年9月15日 by manabi-to-asobi
発達障害を有する生徒はコミュニケーション能力が不足している傾向があり、周囲に上手く溶け込めず、人間関係に問題を抱えるケースがあります。なお、発達障害には様々な種類があるため、画一的な指導は適していません。
学校や塾の場合、周囲に他の生徒がいるので個別の対応が難しいという事情がありますが、家庭教師であれば個別の学習指導が可能です。最近は発達障害を抱える生徒に対応した家庭教師を派遣している業者が増えてきているので、検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、発達障害の生徒に家庭教師がおすすめな理由、家庭教師ならではのメリットなどについて解説いたします。
発達障害の生徒には個別の対応が必要
発達障害者支援法では、発達障害を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害」と定義しています。このように様々な態様が含まれる概念であるため、発達障害の生徒に対して画一的な対応はできません。
アスペルガー症候群の場合、知能には問題が無く、逆に一般人よりIQが高いケースも多数存在します。また、子ども時代に学習障害であっても成人してから社会的に成功している人物が多数存在します。
例えば、ノーベル経済学賞を受賞したバーノン・スミスは、自身がアスペルガー症候群であることを公表しています。また、映画監督のスティーブン・スピルバーグは、学習障害の一種である難読症であるために2年遅れで学校を卒業したことを公表しています。
そのため、発達障害であっても、決して「劣っている」わけではありませんが、「通常の生徒とは異なる対応」が必要になるケースが多いことも事実です。しかし、学校や塾といった環境では、多人数の生徒を同時に指導する必要があるため、どうしても画一的な対応になってしまいます。
発達障害の生徒に家庭教師をおすすめする理由
発達障害の一種である注意欠陥多動性症候群(ADHD)の場合、「落ち着いて授業を受けることができない」という問題が存在します。また、学習障害では、周囲の生徒よりも理解するペースが遅いことが多く、授業に付いていくことが困難な場合があります。
学校や塾といった「多人数が同じ空間で一緒に授業を受ける」という環境においては、生徒の様々な個性に合わせた指導は困難です。落ち着いて授業を受けられない生徒がいても、ペースに付いてこれない生徒がいても、中々、個別にフォローすることができません。
しかし、家庭教師であれば、常に1対1で生徒に向き合うため、個々の生徒の態様に応じた指導が可能です。そのため、発達障害の生徒には家庭教師を付けることをおすすめします。
家庭教師ならではのメリット
通常、家庭教師には、受験のために国語や数学、英語といった各教科の内容について教えることが期待されています。
ただし、発達障害の生徒に対しては、通常とは異なる対応が求められます。普通に教えるだけではなく、事前にコミュニケーションを図って学習する意欲を引き出したり、注意が散漫になったら集中するように促したりする対応が必要です。
学校や塾では実現困難な個別対応によって、モチベーションを引き出したり集中力を持続させたりすることが可能になり、「教室における一斉学習を超えた効果」を得られることが家庭教師のメリットとして挙げられます。
また、学校の教員や塾の講師の場合、「この先生と相性が悪い」「波長が合わない」と感じても他の人間に交代してもらうことが困難なケースがあります。しかし、家庭教師の場合、簡単に他の人物に代えることが可能であるというメリットもあります。
最近は発達障害の生徒に対応した家庭教師を派遣してくれる業者も存在し、「受験勉強」以外の目的で利用することも容易になっています。
発達障害について理解している家庭教師を選ぶ
通常の家庭教師は、受験に向けて各教科の内容について指導することが役割です。しかし、発達障害の生徒には、各教科の内容以上に、「やる気を引き出す」とか「集中力を持続させる」といった対応が重要になります。
家庭教師には、大学生がアルバイトとして行うケースと専門的な職業としてプロが行うケースが存在します。どちらが発達障害の生徒に適しているかは、ケース・バイ・ケースであり、一概に言えません。大学生だったとしても、大学で発達障害について深く学んでいる場合はプロよりも優れた対応ができたりします。
相性もあるので、実際に一度、家に来てもらって指導を受けてみてから判断する方が良いでしょう。どうしても馬が合わないという場合は、他の家庭教師に代えることを検討してください。
本記事の内容が、発達障害を抱えていて家庭教師を付けることを検討している生徒や保護者のお役に立つことができれば幸いです。